バスを降りると、“1年生はエントランスへ”と先輩に案内をされたので、分岐していく生徒たちについていく。


クラス分けの紙が貼り出されてるみたいで、

『おんなじクラスじゃん!』
『まじ!?ラッキー!』
『バラバラじゃん…』
『えー!』

なんてやりとりをしてる。

やっぱり、知り合いとかいるんだ。
高校の入学と同時に他県からきた自分は知り合いがいないし、正直うらやましい。

はやく友達つくろ。


クラス分けボードを見たいけど、混んじゃってて辿り着けないや。何組なんだろう?
そう思ってると、人ごみから出てきた男子にぶつかってしまった。


「あっ、、ごめんなさいっ」

とっさに謝る。

「ああ、こっちこそ。
…え、もしかして、“長谷部 麗奈”?」

のぞきこむようにあたしの顔をみてきた彼。

睫毛、長いなぁ。
じゃないよ、なんでこのひと、あたしのこと知ってるの?