「あー…、秘密。
まぁ、そのうち教えてやるよ。」
本当は、単純に暁に聞いただけだけど。
「えー、おしえてよ。気になるから、」
その言い方に、胸の奥が疼くような奇妙な感覚を覚えたけど、よくわからないからとりあえず無視した。
教室に入って来ていた先コーが勝手にHRを始めた。
「じゃあ、当てて。なんで俺がそんなこと知ってるか。」
単純なゲーム。
「SHRが終わるまでに当てろよな。できなかったら、罰ゲーム。」
罰ゲームなんて、あとから適当に考えておけばいいか。
提案者の俺は、至ってお気楽な思考回路。
「なっ、そんな…」
無茶苦茶な、とでも言いたそうに、困ったように俺を見る麗奈。
「わかんないよ、だって……」
「諦めるんだ。そんなもんか、だよなー。」
そりゃ気乗りしないのは当然だろうけど。
興味をなくしたフリをして、挑発してみる。
麗奈の性格なら、それで絶対のってくる。
「ま、いい…」
「わかった。当てるよ。」
思った通り。

