文字の先の君へ


佐竹くんは優しく腕をとり歩きだす

騒がしい店内がサッカー部のヤジで

よりうるさくなる

お店を出て少し暗いところ

お店の光が届くか届かないかの場所で

佐竹くんは足を止めた

振り返る佐竹くんの顔は

こんなに暗くとも

熱を帯びている色だと言うことがわかって

汐里は自分だけじゃないことに

少しうつむく顔をあげることができた

「なあ、」

照れたようにかすれた低い声が響いた