「しーちゃんは佐竹くんが好きなのだな」

驚いたえみが唐突にいうものだから

いくら小声にしてもと思ったが

この食事中の騒音では心配する必要はなかった


くわえていた唐揚げを

喉につまらせそうになった

「な、なんで!」

「こっちこそなんで!よ

私はたっくんのこといってるのにー」

イケメン彼氏の拓也くんを引き合いに出した

「だってまだ好きだとは…」

「気付いてなかったのね」

汐里は首を振った

「…思いたくなかった」

すねたように言う汐里の頭を撫で

「そっか」