けれど屋敷は思った以上に広く、おまけに初めて見たので、よくよく迷いそうになった。


ときどき服の裾で転びそうになったが、なんとか出口にたどりつき、扉を開けた。


外は真っ暗。おまけに周りは森なので、逃げ『道』などなかった。


とにかく屋敷から離れたくて、やみくもに走った。


人影など見ることはなく、シン・・と静かな森を一人、ただひたすらに。


そして、息絶えそうになったとき、あの光景。