そんなこんなでもう16年もたったある日、 とうとう地下牢から這い出ることができる出来事が起きた。 母が家に男を連れてきたのである。 実際私はそれを見たわけではないが、どうも上が騒がしかったので、 鍵の番人と話していた。 彼らはその日、私のところに出向いてこなかった。 「いたぶられるのはいや」「うんざり」 そう思い始めてしまっていた私は、どうにか鍵を手に入れ、 ――――脱出した――――