そして放課後―――。
「さくら、私は帰るよ〜」
舞ちゃんが後ろから抱きついてきた。
……分かってますよ。
「にしても、さくってば三上に呼び出される回数多くない?」
彼女は私よりも10センチ近く大きい。
……よって、乗りかかられるのはしんどい。
「……舞ちゃん忘れてるかもしれないけど、私生物担当なんだよね」
帰る用意を終えると、それを見ていた舞ちゃんが離れた。
そして、カバンを持った私と並んで教室を出る。
「さくが生物担当なのは知ってるよ?でもさ、三上先生ってあんまり生徒に近づかないっていうか――近寄らせないっていうか……。
とにかく、放課後遅くまで生徒とかかわるような先生じゃないと思うんだよね」
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