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「お兄ちゃん!?聞いて!高崎高校に入学決まったよ!!」

わたしは電話を取るなり、真っ先にそう報告した。


「おお!それは良かったな!うん、本当に良かった」

お兄ちゃんも心底喜んでくれたようで、こんなに喜んでくれるんだったらやっぱり高崎高校を選んで正解だった、なんて嬉しく思う。




制服頼んできたよーとか、入学書類を書くのが面倒くさい、なんて話をひとしきりすると、今度はお兄ちゃんが話を切り出した。



「でな、蓬。入学前にお前に伝えておきたいことがあるんだ」

さっきとは打って変わってお兄ちゃんの声色が急に真剣になって、わたしは何事かと思いながら耳を傾ける。




「あのな、ごめんな。黙って聞いてもらいたいんだ」

「うん?」


この時、何でお兄ちゃんが先に謝罪したのか不思議に思った。