「あずさ!」
学校へ着くと、ユキがあたしを見つけて呼んだ。
「うちのクラス、喫茶店に決まったって!」
「そうなんだ…」
「どうしたのあずさ、元気ないね?」
「そんなことないよ!」
あたしは笑顔を作った。
「目…腫れてる?」
ユキがあたしの顔を覗いた。
「あのね、ユキ…」
あたしは、
ユキに話した。
なおのこと、
今までのこと。
お母さんに捨てられたことも、
今一緒に暮らしてることも。
新しいお父さんのことも。
ユキは言った。
「そうだったんだ…。辛かったね…。話してくれて、ありがとう。でも今日からは、あたしがあずさを、守ってあげるからね!」
ユキはあたしの頭を撫でながら、そう言ってくれた。
あたしはまた、
涙を流してしまった。
