「なんか、高そうな服を着てるな」

「そう?あなたにも買ってあげようか。それとも車の方がいい?いいわよ。好きなのを買ってあげる」

あの人が珍しく機嫌がいい。

だから、私も愛想が良くて、相乗効果で話も弾む。


場所をベッドに移してもあの人は優しかった。

(あぁ、この人を好きなままで死ねる)



夢のような時間はあっという間に流れ、とうとう夜が明けた。


私はシャワーを浴びて、淡々と死装束を身にまとった。