幸い服には付いていないようだ。 血は服に着いたまま置いておくと、取れなくなる上に、体には自然に染みる。 体から血の匂いがするから特に動物には嫌われるのが面倒臭い。 それに時に大量の血というのは人間を、狂わしてしまう。 まあ、綺麗な薔薇には棘があるって感じか。 流し終わり、部屋を出ようとドアに向かう。 酷い惨状だが、どうせそのままにしておけば、後始末はやってくれるだろう。 部屋の電気を消して、静かに扉を閉めた。