「い…やーー!」


生暖かいモノが腕から滴り落ちる。


「や…いや…っ!」


反対の手でそれを拭うと、べっとりとした感触がした。


一歩ずつ歩みを進める。


「やっ、やめ…て下さい…おねが…」


すっかり手に馴染んだ重いもの。


最初は少し慣れなかったが、もう体の一部のようだ。


酷い顔をした女がこちらを見ている。


ああなんて醜いのだろう。


見ているだけで胃がざわめく。


「こっち来ないで…!いや…いやあー!!!」


腰が抜けて地べたに座っていた女は、後ろに這って俺から逃げようとした。


まるで芋虫のようだ。


ああ…目障りだな。