「あんたその人をジーっと見る癖やめなさい」
私は小さい頃から気になる人や物に見入ってしまう癖があった。

良かった、気づかれてない。
母に一目惚れしたのがバレてしまうのはなんだか恥ずかしい、と言うか嫌だ。


当たり障りのない言葉を並べたつまらない始業式を終え帰宅し夕食を取り終えるとすぐに私は二階にある自分の部屋に篭った。

そう、考えるのはあの男子の事だ、思い浮かべなくても頭の中はあの人でいっぱいだ。

何年生なんだろう…何組なんだろう…彼女は居るのかな?好きなタレントは?
興味と?マークだらけで頭の中がごちゃまぜだ。
胸がきゅーっとしめつけられる様な、けれどそれが心地良い様な変な感覚だ。