桜の木の下で

ついに自分の番がやってきた。
当たり障りなく好きな食べ物やテレビの話をした。
幸い誰にも笑われなかった。
先程の女子のグループも静かにしていた。
実はそんなテレビ番組なんて興味はないけれど、本当に好きな事を話すのは恥ずかしかった、笑われそうだし。

そしてついに後ろの席の男子の番だ。
ぼそぼそと話し始めた。
声も綺麗だ。
クラスの殆どの女子が彼に注目し興味を持っているのが空気でわかる。

名前は相瀬奏(あいせそう)。
趣味は映画鑑賞と歌だそうだ。
名前や趣味まで美しい、彼に欠点はないのだろうかと思った。

ホームルームが終わり相瀬君はちょっぴり茶色い髪を先生に叱られていた。