学校が終わって、僕は急ぎ足で教室から出ます。

今日は、あの人に会えるんです。

そう思うと、学校で溜まった疲れなんて感じません。
急いで自転車に乗って、一度帰るために、自宅への道を走ります。

と、そこに。
ピロン、と僕のケータイにメールの着信がありました。
ケータイを開くと、そこには『天理ちゃん』という名前が。

「天理ちゃんからメールだ!」

僕はついつい声に出して喜んでしまいます。
しかし、その喜びは次の瞬間、消えてしまいます。

メールの本文には、

『今日バイト遅れるね!
6時には着くから、先に頑張ってて!』

と、書かれていました。

「なんだ...今日天理ちゃん遅れるのか...」

僕は、深いため息をつきます。