...あ、やばい戻らなきゃっ

「ひかり、愛美じゃあねー!」




私は駆け足で教室の自分の席へと戻っていった。


--キーンコーンカーンコーン......


うわぁ、凄いぎりぎり。


「こんなぎりぎりまでどこ行ってたの?」


姫ちゃんが不思議そうに聞いてくる。


「あー隣のクラスに遊びに行ってたよ!
そういえば、斎藤奏多っていう男子知ってる?」

「あぁ、奏多ねえ笑
凄いモテるよねー!学年トップの頭の良さだしね笑」


...えっ!
やっぱりいけめんは何でも出来るのだろうか。

私なんか後ろから数えた方が全然早いのに...。


それに可愛くもなければ体力ない運動音痴だし彼氏なんて..い、いないし!!


斎藤くんなら彼女すぐできるんだろうなぁ..


そう思いながら数学の準備をしたところだった。





「おい、佐田ー。
これを職員室に置いてきてくれないか?
いやぁ間違えて持ってきちゃってな!」


「あ、はい...」


今日もまともに授業の内容が耳に入らないかもしれない...

溜め息をしつつ廊下を歩き始めた時だった。





--どんっ!!

「いっ..た..っ」

誰かにぶつかり思い切りしりもちをついた。