―プシューッ
「大丈夫だった?」
「えっ?……あっ、ありがとうございました!!」
「いえいえ。」
ガシッとつかんだ手は 、高校の先輩と思われるものだった 。
「新入生でしょ?」
「は、はいっ!」
「朝の通勤通学ラッシュ、まじ大変だよね。」
駅から30分くらい歩いて 、着く高校 。
優しい先輩と一緒にいった 。
「髪 、短いですね。」
「あ〜、……部では長い方なんだけど。」
「え?」
「俺、野球部なんだよね。だから、みんな坊主」
「野球部なんですか!?」
「うん。何部にみえる?」
「理工学部」
「プッ!…それ、学部っ!しかも大学ね!」
「あっ!……あははっ、そうでしたねっ!」
「後輩ちゃん、天然だね。……名前、なんてゆーの?」
「あ、渡部 瑚夏です!」
「瑚夏ちゃんか。あ、俺は日向 頼」
頼先輩との出逢いとあの三上駅……
いや 、“片想い駅”が私の高校生活に深く関係してきたんだ 。