端から見ていると、お似合いだと感じる。
そう言うと律花は怒るが、希愛は本当にそう思っている。




実際、湖季は律花のことが好きなのだ。
だから、湖季は律花に甘いのかもしれない。
律花はそのことにきっと気づいていない。




二人が上手くいけばいいと希愛は密かに願った。




そんな希愛の横で那由汰は目を細め、希愛を見つめる。
ツンツンと希愛の肩を叩く。




希愛が振り返ると、那由汰は小さく折りたたんだ紙をすっと希愛に渡す。
希愛は律花に気づかれないようにそっとその紙を開いた。




そこには『今日、一緒に帰ろう』の文字




希愛はコクりと頷いた。




この二人の距離も本人達が気づかない内にどんどん近づいていっていた。