那由汰のことを希愛はよく知らない。 けれど、そう言ってくれる那由汰を信じようと思った。 希愛は小さく唇を動かす。 那由汰にだけに向けた、心からの気持ち。 『ありがとう』 那由汰の今の優しさを今は感じていよう。 この居心地の良い場所を今は大切に過ごしていこうと希愛は心に誓った。 そして、自分に普通に接してくれる人たちを不幸にしないようにしようと思った。