それでも伝えなきゃいけない。




「私…那由汰のピアノ、大好き。初めて聞いたときから、ずっと。
那由汰のピアノは心に染み込んで…私の心を優しく温めてくれた」




辛いとき、悲しいとき、傍にいてくれた。
悲しみを分かち合って、癒そうとしてくれた。




そんな那由汰が好きだった。
初めて会った時から…惹かれていた。




「傍にいるって言ってくれたとき、凄く嬉しかった。爽のことも…那由汰のおかげで乗り越えられた」




理緒のことも…那由汰が居なければ仲直りできなかった。
爽のことも、悲しみを抱えたままだった。




この声も戻らなかったかもしれない。




「那由汰は…私にいっぱいしてくれた。本当に…ありがと」




那由汰にはいっぱいしてもらった。
数え切れないほど、癒してくれて支えてくれた。