それだけで嫉妬を感じるのに、仲いい二人を見ていると羨ましく感じる。
「でも最近はピアノと歌ばっかり。ゆづがそっちのほうがいいって言うから…」
「弓音のピアノと歌、凄く好き。久しぶりに合わせようよ」
「じゃあ、ゆづのところ行く?連絡は入れてあるから、仕事入れていないと思うよ」
それよりも、弓音が言っている『ゆづ』とは誰なんだろう。
希愛は首を傾げた。
那由汰は知っているみたいだった。
首をかしげていると弓音がくすりと笑う。
「弓弦には会った?音羽 弓弦。私の兄なんだけど」
「会ったとこは…ない…です」
湖季の話で聞いたことのある名前だ。
でも、名前以外にどんな人なのかは知らない。

