那由汰ははぁーっとため息をついた。




「柄じゃないけど…昔とは違う。流されてなんかいない」




「なら…いいけど。もっと自分の音を大切にしてね?」




二人の会話を聞いていると、不思議な気分になる。



まるで弓音は那由汰の姉みたいだ
母みたいなところもある。



だから、元恋人というより…昔から知っている家族みたいな…。




気になった希愛はぎゅっと拳を握り、思い切って弓音に聞いてみた。




「あの…二人はどういう関係で…?」




二人はきょとんと目を丸める。
顔を見合わせ、希愛に視線を移す。




「音楽仲間っていったほうがいいのかな?昔一緒にやってたの」




「音楽仲間…ですか?」




音楽仲間ということは弓音も何かやっているんだろうか。