その行動に女の人も希愛に気がつく。
『ふふっ』と唇に手を置き、笑みを洩らした。
「可愛い子。…なゆの彼女さん?」
「…うん。まあね」
「そう」
女の人から笑顔は消えなかった。
絶えず笑みを浮かべている。
とても那由汰と親しい人だと感じた。
だから希愛は那由汰の元カノだと思っていた。
でも、女の人の反応を見る限り違うようだ。
じっと女の人を見ていると、女の人の視線とぶつかる。
なんだか急に希愛は恥ずかしくなってきた。
そんな希愛に女の人は那由汰と同じ笑みを浮かべる。
「初めまして、弓音(ゆのん)です」
「あ…花澤 希愛です…」
弓音は意味ありげな笑みを見せる。
ジロジロと希愛を上から下まで観察するように見る。

