湖季はその声の人物を見て、はぁーっとため息をつく。
「お前な…ちゃんと断れっていつも言ってるだろ?」
湖季は呆れたような口調で彼に釘を刺す。
すると、彼は「何が?」と状況に似合わない声を再び出す。
それに、律花の収まった怒りが蘇る。
「あんたねぇ!女の子囲ませといて何言ってるの!」
「女…?あ…またか」
律花の言葉を聞いて、彼は周りを見渡す。
言われたことをようやく理解したのか、彼は息を吐く。
「ねぇ…俺の周りに立たないで。嫌いなんだ、そういうの」
軽く聞こえるが、その声音には誰にも寄せ付けない何かが含まれていた。
その言葉を聞いた瞬間、女の子たちは逃げるようにその場から居なくなる。

