そして、ぽつりと呟く。




「また…書き直している」




「…ごめん。なんか違うような気がしてさ…」




優愛はきょろきょろと部屋を見渡す。
そして、ゴミ箱を見ると椅子から立ち上がった。




ゴミ箱に捨てられていたくしゃくしゃのルーズリーフを手にとった。
開き、並んでいる音符を見つめた。




口笛を吹くように自然に書かれたメロディーを奏でる。




優愛はとてもいいように思えた。
くしゃくしゃにされたのがもったいないくらい。




「…いい曲なのに」




「でも、優愛のイメージと違う。…ダメだよ」




「…誰を思って書いたの?」




と、優愛は那由汰を真っ直ぐ見る。
那由汰から言葉は返ってこない。