二人を見るのが嫌で、逃げるように去った後のこと。
偶然出会った綺麗な女の子のことを――。




話していて、悲しくなった。
口にすることは出来なくても、考えながら話しているせいで。




全てを律花に伝えたあと、腕から力が抜けた。
優愛の言葉がよみがえる、何度も何度も。




律花は何か知っているのか、眉を顰めた。
『なるほどね』とボソリと呟く。




律花は希愛の肩に手を置く。




「それで…希愛はどうしたいの?」




『どう…したい…?』




そんなこと、考えてもいなかった。




「ずっとこのままでいいの?あいつと…話さなくていいの?」




それは…嫌
一週間、会わなくて分かった。
那由汰と会っていることで、自分が強くいられることを。