希愛の知らない那由汰を律花は知っているのだ。
希愛はどうしても知りたかった。




だけど、律花は話そうとしない。




「…人から聞いた話なんて納得できないでしょ?気になるなら…本人に聞くべきよ」




これ以上聞いても、律花は話してくれないだろう。
それに、希愛は本人の口から聞きたかった。
那由汰本人から…。




それなら、今ここで聞く必要はない。
そう思った希愛は静かに謝った。




『…ごめんね?』




「こっちこそごめんね?お節介した結果、希愛を悲しませていたなんて…」



それは違うと希愛は首を横に振った。
希愛が学校に行かなったのは律花が原因ではない。




希愛はもう一つの話を律花にすることにした。