「はい、じゃあ今日はここまで。有栖さんは明日までにみっちり台本読んできてね」


「はい…」


やっと練習から解放されたときには、気力はゼロ。


これから部活だというのに、すでに息切れしてぜぃはぁしてるような状態だった。



こうなったら…

部活で咲夜に癒されるしかない。



なんて思いながら、カバンを取りにトボトボと教室へ向かった。


普段から放課後のこの時間になると、教室にはあまり人はいない。


空っぽの教室をいくつも通り過ぎ、自分のクラスのドアを開ける。



あ…れ…?


電気もついてないのに、窓際の席に見えた人影。


近づいてみると…


「スー………」


気持ちよさそうな、寝息が聞こえてきた。


眠ってる……


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