良かった、ちゃんと言えた……。


ホッと胸を撫で下ろすけど…




「それで納得すると思う?」


「………っ!?」


「なんのために誰にも邪魔されない場所に呼んだと思ってるの?」


「え…っ?」



加藤君が口角を上げてニタッと笑う。




「逃がすわけ、ないでしょう?」


「…………やだっ…!!!!」


「大丈夫、すぐ俺のこと好きになるから」


「……やっ……」




逃げようと後ずさるけど、すぐに壁に背中がぶつかってしまう。


体が震えて、力が入らない…。



「姫ちゃん」


ニコッと笑って、加藤君が手を伸ばしてくる。



いやっ……!



恐くて、ぎゅうっと目を瞑った。


反動で、涙がこぼれ落ちていく。




「……助けて!!!



翼…咲夜!!!!」




絶体絶命のピンチの中、気づけば呼んでいた2人の名前……。






そして……。