そして…。


歩き進めた廊下の先。


屋上へむかう、階段へ着いた。


ここは咲夜が好きって言ってくれた、思い出の場所。


懐かしい記憶を胸にその一段に座る。


心臓がバクバクいって痛いけど、そんなの関係ない。


スマホを開いて、急いで通話ボタンを押す。



翼が教えてくれたこの気持ちを、


一秒でも早く伝えたいんだ…


RRR…♪


咲夜の好きなアーティストの曲が何度か繰り返されて



『はい』



愛しい声が聞こえた。



「咲夜、今大丈夫…?」


『大丈夫だけどどうしたの?』


「話があって……」



スマホを持つ手が小刻みに震えている。