でも、そんな彼の姿はどこにもなくて……。
「ダンクは翼の得意技だからね」
「そうだねっ」
咲夜とのデートで幸せなはずなのに。
言葉にならない切ない気持ちをどこかで感じていたんだ…
「……姫?」
気づけば咲夜が心配そうに顔を覗きこんでいる。
わわわっ!
「な、なにっ?」
「いや、浮かない顔してるからどうしたのかなって」
「そんなことないよ!あたし今すごく楽しいもんっ」
そうだよ、今は大好きな人とデートしてるんだから。
…ちらりと隣をみると、斜め上に見える横顔。
この位置から咲夜を見れるんだもん。
そんな幸せなことはないー…

