涙ぐんで翼を睨みつける。 見えたのは意地悪な笑顔なのに、瞳は真剣そのものだった… ………翼? その視線がとらえたのは舞台袖… 「白雪姫をはなせっ!!!」 叫んだ声が聞こえたと同時に、強く抱きしめられる。 「………っ」 そのまま唇に何か触れた──── 思わず目を開けてしまって、それが初めてキスだと気がつく。 状況を理解した瞬間、涙がこぼれたんだ。 だっておかしいでしょう? 目の前いるのは王子様の衣装を着た… 大好きな人。 「さく…っ」 言いかけたところを、口に人差し指をあてられた。