「空気読めなくてごめん。ゆっくりしてて。俺もちょっと呼ばれてるから戻るな」


「さく……っ」



引きとめようと立ち上がった瞬間。



"好きだ"



ドクンーッ!

翼の顔が思い浮かんで、体が動かなくなる。


好きだと言ってくれた人。


ケガしてまで、あたしのことを守ってくれたのに。


そんな翼をおいて行けるはずない…。



遠くなっていく大好きな人の背中。



涙がにじむ視界からやがてそれは消えて……



「追いかけろっ!!!」


「…えっ?」


「早く!!!言いたいことがあるんだろ!!!」



翼の声にせかされるように立ち上がる。



「………っ」



……そうだ。


あたしは咲夜に謝らなきゃならないんだ…っ。


このまま何も言えなかったら、今度こそほんとに離れちゃうっ!