俺様orクール?幼なじみのお姫様♥



けど…。


この黒い心を抑えきれなくなるまえに、邪魔者は退散すればいいんだろ。



「じゃあ俺は先に部活行ってるからな」


「待って!!!」



呼び止められて、ドアにかけた手が止まった。


姫は慌てて俺の元へ走り寄ってくる。



「最後のセリフ…言ってなかったから」



そう言って、俺の手をつつみこむように握ると顔を上げる。


照れたように頬を赤らませる、きらきらの笑顔があった。



「私、すごく幸せです…っ!


ありがとう、"翼"」


「……っ」



こいつ、王子様を俺の名前に変えやがった……


何も言えない俺に、姫ははにかんだような笑顔を見せた。



「びっくりした…?でも最後の白雪姫セリフ、あたしの今の気持ちと同じだったから」