「そんなこともわからない?」 「わ、わからないよっ//」 あたしが翼とキスするのが嫌なんて、咲夜が思う理由がわからない。 あたし達はただの幼なじみなのに…。 考えてしまうとまた胸が痛くなる。 うつむき加減で、制服のブレザーをぎゅうっと押さえた。 けれども。 「そっか」 すごくそっけない返事が返ってきた。 「こんな気持ち…」 「…え?」 次に見えた咲夜の表情は、すごく冷たいものだった。 「俺もわかりたくなかった。 姫と翼と、ずっと仲のいい幼なじみでいれたら良かったのにって思う」