キスの意味を知った日


外に出た瞬間、さぁっと冷たい風が頬を撫でる。

寒さに震えて、思わずガウンをギュッと掴んだ。


「櫻井さん? どこ行くんですか?」

「場所じゃない」


意味深にそう言って、ロッジの電気を全て消した櫻井さん。

その瞬間、一気に辺りが真っ暗になった。

目の前にいる櫻井さんの顔も微かに見えるぐらい。


突然明かりを失った世界に少し不安になる。

ガウンを握ったままキョロキョロと光を探す。

すると、突然肩を抱きしめるように腕を回してきた櫻井さん。

暖かな温もりが、その体から伝わる。


「あの……?」

「上」

「え?」

「上、見て」


上?

その言葉に首を傾げる。

何が何だか分からなかったけど、言われるがまま上を向く。

すると――。