「どこを好きになったの? 櫻井さん、仕事の鬼って感じじゃない?」
そんな動揺を悟られない様に、ニッコリ笑って問いかける。
すると、う~んと上を向きながら考え出した日向。
そして。
「最初は私もそう思ってたんですよ。怖い人だなぁって。不愛想だし、なんていうか、素っ気無いですし」
「うん」
「でも、私入社してすぐに仕事中に事故にあったんです。それで、病院に運ばれた時、真っ先に来てくれたのが櫻井さんだったんです」
まるで夢心地にその様子を話す日向は、恋する乙女。そのものだった。
頬を真っ赤に染めて、ニヤニヤと思い出し笑いをしている。
その姿を見て、またもやモヤモヤしたものが胸を覆う。
そんな時、美咲が驚いたように声を上げる。
大きな目を瞬いて、日向に視線を向けた。
「へぇ~! 意外だなぁ! あの人、どんな事よりも仕事優先すると思ってた」
ビールをグビグビ飲みながらそう言う美咲に、そんな事ないです! と言って目を見開く日向。
そして、勢いよく美咲に向かって体をグイッと近づけた。
その様子に驚いた美咲が一歩体を引いた。



