「本当……勘弁してよ」
胸から湧き上がる、この気持ちは何なんだろう。
泣きたくないのに、涙が溢れる。
悔しくて悔しくて、心が壊れてしまいそう。
涙を隠すように、椅子の上で膝を抱えて蹲る。
自分だけの世界の中で、ポタリと一粒涙が落ちた。
「みんな大嫌い」
幸せそうな2人も。
天使の様な寝顔で眠る、あの子も。
昔の恋から卒業できない私も。
みんな大嫌い。
消えてしまいたかった。
こんな苦しい気持ち。
もう、うんざりだった。
「大嫌いっ!!」
衝動的に、力任せに自分の太ももを殴った。
怒りなのか、悲しさなのか分からない。
ただ、2人を見て傷ついている自分に腹が立った。
弱い自分に腹が立った。



