「結婚の話も出ていました」 「――」 「早く一緒に住みたいねって、そう話していました」 幸せだった。 大好きな人の側にいれて。 結婚したいと思える人に出会えて。 あの人も、そう思ってくれていると思ってた。 ――…思っていた。 あの日まで。 「でも、ある日。偶然仕事が早く終わって、彼のマンションまで行ったんです」 「――」 「もうすぐ記念日だったから、サプライズでお祝いしようと思って」 今でも覚えてる。 あの光景。 幸せそうな2人の笑顔。 大事そうにお腹を触る彼女の顔を。