バシッとその手を払い除けたけれど、その瞬間手に激痛が走った。
あまりの痛さに、歯を食いしばる。
昨日、壁を殴った時のだ。
こんな時にっ。
痛みに顔を歪めると、男はまたにったりと気持ち悪い笑みを浮かべた。
そして、ゆっくりと私に馬乗りになったまま顔を近づけてきた。
生暖かい息が顔にかかる。
ゾクッと背筋が凍って、一瞬体が動きを止める。
すると。
「今日やっと1つになれるんだよ?――瑠香」
そう言った瞬間、私の両手首を押さえて首に顔を埋めてきた男性。
首筋に温かい舌を感じて、体が拒否反応を起こす。
「やめてっ! 離して!! ――離せっ!!」
大声を出して必死に手足を動かすが、男の力に敵うはずもない。
暴れれば暴れる程、私の手首を掴む手に力が入る。
悔しくて、気持ち悪くて、涙が出た。
それでも、諦めずに声の限り叫んだ瞬間、唇を塞がれるようにキスされた。



