真剣に自転車を漕いでいる
愛斗をすぐ後ろから見て
少しだけ名残惜しくなる。


「愛斗！急がなくてもいーよ？」

「あ？
なに言ってんだよー
俺は遅刻してもいいけど
お前はだめだろーが」


愛斗の顔は見えないけど
きっとくしゃっとした笑顔してるんだろーな…


「別にいいのに…。」

愛斗には聞こえないくらいの
小さな声で答える。

「いまなんて？」


「んーん！なんでもない！
急げ急げーっ！」

シャツをぎゅっと握って
私達は学校に向かった