届かないかな。


そして放課後。

あたしと愛は吹奏楽部。だから音楽室で練習をしていた。

あたしは、フルートのパートなんだけど、実はあんまり得意じゃなくて…

向いてないと思う。

このフルートのパートの中でもヘタなほうだし、

このパートでいちばん上手い、野中 泉ちゃんがうらやましいというか妬ましい。

野中ちゃんは2年なんだけど、フルートを幼少期から習っていたらしく、

入部したときから飛びぬけて上手かった。

あたしも小さいころから何かしてれば、なにか得意分野ができてたのかな。

「藍田先輩」

野中ちゃんがさっそうと声をかけてきた。

「え、うん何?」

「ここのパートはもう完璧なので、こっちのパートを練習していてもいいですか?」

「あ、どうぞ…」

部活引退する前に、野中ちゃんに追いつくのは絶対無理だよね。

あーあ。練習が足りないっつても、もうすぐ受験だし、

勉強のことがあるからフルートのことばかりしてられないんだよなあ…

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「あー終わった~!」

愛が背のびをする。今日はいつもより早く練習が終わって、今楽器を片付けてる。

愛はサックスのパートなんだけど、まあまあ順調みたいで。

「よし、片付いたね。じゃあ号令!」

「ありがとうございましたーっ」

一同がバラバラになって今日はもう解散。

愛があたしに近づいてきて、耳打ちをしてきた。

「ね、まだ他の部活やってるよね?紗江、覗きに行かない?」

ちょうどヒマだし、いいかな。

「いいよ。どこ見に行くの?」

「うーん。体育館の部活はさすがに迷惑かけるとアレだから、

誰でも見れる感じがする、グラウンドでやってる部活見てこー」

「おっけー」

あたしと愛は一緒に歩き出した。

やっぱり、幼馴染みの愛といるのが一番落ち着く。

愛とはずっと親友でいたいな。