あたしの名前は藍田 紗江。中学3年生。
今、好きな人がいる。
でも、それを伝えると、今のあたしたちの関係を保てない。
だから。
思いは伝えないことにする。
本当は言いたいけどね。
「好きです」
~~~~~
「隼人!隼人はどこよー?もうー!」
幼馴染みの小島 愛と二人で田辺 隼人を探してる。
確か、今日は委員会会議があったような…
「愛。確か隼人今日は委員会だよ。ほら2階の…2-1じゃない?」
「まじか。行こう。もう昼休み終わるしー」
あたしたちは階段を下りて、2-1の教室にたどり着いた。
「失礼しまー…あ。隼人!」
愛が、隼人を探している理由。それは―
「探したんだけど」
「…は?何」
「これ。借りてた社会の教科書。次あんたのクラス社会っしょ?今返さなきゃダメだと思って」
「…」
隼人は黙って教科書を受け取った。
「あ、ごめんね。委員会会議、邪魔しちゃって。おじゃましましたー」
愛が詫びの言葉を言った後、教室をでるとき。
「あ、愛も藍田もありがとな」
隼人がもったいぶったように言った。
てか、あたし後ろにいたのに見えてたんだ(笑)