始業式が始まり、覚悟はしていたものの校長先生は軽く一時間くらい話していた。
……もうこれは嫌がらせだとしか思えない。
お喋りにも程があるでしょ!!
「もうダメ…疲れた。授業どころじゃないよ〜っ」
「ほんと毎回毎回、校長ってどんだけ話すことあんのよ。途中からあたしたち関係なかったし」
「だね〜」
長い始業式が終わり、教室に戻ってきた私たち。
隣の席では疲れた千隼くんが寝ている。
「……寝てる」
「そりゃ疲れるでしょ」
春休み明けからこれだもんね。
仕方ないか。
「それより…梨花ちゃん。さっき体育館行くときに言ってたことだけど、どうゆう意味だったの?」
「……それは優芽が自分でわかんなきゃ意味ないわ」
「うーん…そっかぁ」
素直になる……今も隠し事とか何もないし、嘘ついたところですぐにバレるからつかないけど……。
私って素直じゃないのかなぁ?
隣の席を見てみると、千隼くんはピクリとも動かず寝ている。
千隼くんを好きにならないのかって言われても……千隼くんはたぶん私のこと嫌ってるし。
幼なじみ以上になんてなれるはずがない。
