「はい、ご飯準備できたよ」


「「「「はーい!!」」」」



こうやって叔父さん、叔母さんもみんなでテーブルを囲むのは何年ぶりだろ?

4人ともこんなだけど、会社持って仕事してるんだもん。

一年間で家に帰ってくる日の方が少ないくらい。



「「「「いただきまーすっ」」」」


「ん!うまいっ」


「優芽ちゃんまた料理の腕あげたんじゃない?!」


「そんなことないよ」


「智ちゃん…いい娘持ったね!」


「だろー!!優芽は最高の娘だぞ!邦ちゃんっ」


「貴方、その呼び方どうにかならないの?!」


「いい年した禿げかけの大人がキモいわよ!」


「ちょっ敬子…禿げは言い過ぎだ…」



このやり取りを見るの久し振り。

みんなで笑って楽しい食卓っていいなって改めて思う。

お父さん達が楽しそうに頑張って仕事してくれることは嬉しい。

だけど正直、家に帰っても一人が多いと寂しくなるときもたまにある。

私のお父さんは智ちゃんなんて呼ばれてるけど、自分の会社を持つ社長さんだし、お母さんはそんなお父さんを支える秘書。


千隼くんのお父さんも邦ちゃんなんて呼ばれてるけど、大きな会社の社長さん。
敬子叔母さんはその会社の業務で働いているとか。

私と千隼くんがまだ小さい頃から仲がいい4人は高校時代からの親友らしい。


長年こうやって仲がいいところにはちょっと憧れる。



「でも、忙しいのに突然帰ってきたりしてどうしたの?」


「えっとなー報告があって!」


「報告?」


「そうそう!叔母さん達それぞれに会社があるじゃない?」


「それで今回一緒に仕事しようってなってね。会社を合併することにしたの!」


「へー」


「それでここを売り払って引っ越そうと思って!」


「へー…え!?今なんと?!」



引っ越すって嘘でしょ!?

驚く私に何も言わず目を見開く千隼くん。



「引っ越すってそんな突然…」


「どこに引っ越すんだよ?」


「「アメリカのニューヨークよ!!」」



お母さんと叔母さんが口を揃えて言う。

アメリカ…ニューヨーク!?


しかも外国?!
待って。
私英語なんて話せないよ?
テストでも一番英語が成績悪いのに……無理に決まってる!!