………とは思ったものの。
梨花ちゃんが変なこと言うから!!
変に意識しちゃうじゃんっ!!
“王子はただの幼なじみとは思ってないかもよ?”
そんなの絶対ありえないのに…なんで頭から離れないの!?
「席つけー」
授業開始のチャイムがなり、先生が授業を始める。
千隼くん……授業始まったのに寝てる。
起こした方がいいよね?
そう思って肩を叩こうとしたけど、伸ばした手を引っ込める。
なんでドキドキしてるんだろうっ……今朝まで普通だったのに!
梨花ちゃんが変なこと言うからぁぁぁぁあッ!!
「崎川、頭抱えて具合でも悪いのか?」
「いえっなんでもないっす!」
っすってなに?!すって……
いけない!落ち着かないと…!
周りの人に笑われる中、私はゆっくりと席に座り直す。
そうだ、授業に集中しなきゃ!
気を取り直して、ノートを開いて黒板の文字を写す。
集中してれば他のことは何も考えなくて済むし、我ながらいい考えだよ!
一人で納得しているとぷっと誰かに笑われた気がして隣を見るけれど、千隼くんは寝ていた。
気のせい?
前に向き直りとにかく授業に集中!
