届け、この想い

「あ、倉橋花音です。さっきは役に立てて嬉しいです」


彼女は突然そう言った。


この場の空気を変えたいのであろう。



ピーンポーンパーンポーン

【1年生のみなさんはクラスごとに整列し、
 体育館に集まってください】



おっと、お話タイムはここで終わりか。



「みんな並ぶよー!!順番は名簿順で!!」



初対面のやつが多い中、みんなをまとめられる
翼は、すごいやつだと尊敬している。



本人に言ったことはないが。




倉橋も同じことを思っているらしく、
やたら目がキラキラしていた。



すると小さい物体が声を出しながら倉橋にぶつかった。




小さい物体は


「花音も並ぼー!!」

と言っていたらしい。



突然のことに倉橋も驚いたらしく、


後ろのほう、つまり俺の方へ倒れてきた。




あぶな!!