~きみの涙色~



動けない。


どうする、どうする、しずく!


いや、反らすしかない。でも、こんなに目があって今さら知らん顔して反らすのは…なんか
変な感じがして…、結局は少し笑うと言うなんとも惨めな結果。




「…ふん。」







開いた口が塞がらないとは、このことだろうか。


私の斜め向かいにいる奴は、私の精一杯の気遣いを鼻、鼻で笑うとはっ!!!





あったまきた!





バシャッ





本能的に動いた私の右手は、水の入ったコップを手にしていて、その右手を奴に向かって振りかざしていた。






もちろん、店内はシーンと静まり返り梨夏も、森 康平も、高岡 良祐も目を見開いて驚いた顔をしている。



「最低。」




私は、それだけ言って店を出た。