あっという間に来てしまった、放課後。



学校が終わらなければいいなんて思ったことはこれが初めてだろう。




「はぁー…、やだなぁ。」



「どうしたの?なんか、元気ないじゃん。」



私のため息が聞こえてしまったのだろう。


隣の席の、橋元くんが心配した顔で話しかけてきた。


「んー、ちょっとね…。」



「大丈夫?俺でよかったら相談に乗るよ?」



なんて優しい人だ。
橋元君は、たぶん心が綺麗だからこんなに優しいんだ。


そんな、優しすぎる橋元くんにさすがにチャラ男と遊びたくないんですぅーなんて、しょうもない悩みを打ち明けるわけにもいけないし…。



「うん、大丈夫。ありがとう。」


って誤魔化した。