「って事で、今日の放課後よろしくねっ!」
神様、これは夢でしょうか…。
いや、夢でなければ困ります…。
どうして、
どうして、私が、
あの、あの、森康平と遊ばなければならないのでしょう。
「しずくぅ!おーい!しずくー!」
「無理。」
「えー!!だってもう康平くんに言っちゃったもん!!ねー、お願い!!」
朝から、ウキウキ気分の梨夏から告げられたこと、それは…。
森康平、梨夏、私、…。
あと、もう一人森康平の友達という人たちと遊びに行こうという、なんとも地獄発言。
いくら森 康平の友達だとしても、私は初対面だし人見知りの私からしたら、こんなに苦痛なことはないだろう…。
「やっぱり無理。」
「大丈夫だって!あっ!今度、駅前の美味しいケーキ奢るからっ!ね?ねー?」
な、なんだと。梨夏め、私の大好物を使いやがって。餌で釣ろうたって……。
でも、駅前のケーキは、値段も結構高いし…正直今の私のお財布さんは…空っぽに近いし…。
「ほ、ほんとうに奢ってくれるの…?」
「うんっ!奢るから!お願い!!」
「…。少しだけなら…。」
語尾が小さくなりながらも、YESと答えてしまったバカな私。
だって、どうしてもケーキ食べたいし…。
少し、我慢すればあの、美味しいケーキが食べれるとなんともおいしい話に乗らないわけにはいかないよ、ねー…。
「やったぁー!じゃ、放課後ねー!」
はぁ、やっぱり梨夏には敵わないなぁ。
